2011年1月5日水曜日

亡き児文也の霊に捧ぐ「春日狂想」

29歳で長男文也を失った悲しみが、中原中也 晩年の傑作を産む。

抜粋



愛するものが死んだ時には、
自殺しなけあなりません。

愛するものが死んだ時には、
それより他に、方法がない。

けれどもそれでも、業(げふ)が深くて、
なほもながららふことともなつたら、

奉仕の気持に、なることなんです。
奉仕の気持に、なることなんです。

愛するものは、死んだのですから、
たしかにそれは、死んだのですから、

もはやどうにも、ならぬのですから、
そのもののために、そのもののために、

奉仕の気持に、ならなけあならない。
奉仕の気持に、ならなけあならない。

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